学生の頃、学校の校則に縛られているのが嫌だった記憶ありませんか?
持ち物検査や風紀検査。髪型やスカートの長さまで決められていることに反発しませんでしたか?
それでも決められた枠の中でも精一杯楽しもうとしていたあの頃・・・。
今回は「恋愛の自由」について考えてみましょう。
それぞれの時代の恋愛における自由度を比べてみると違いがよくわかります。
現代(平成)は、ほぼ自由と言ってよいでしょう。各家庭ごとに様々な条件はあるにせよ、当人同士の恋愛においては、何の規制もないのでは?少し前なら、年齢差がありすぎると話題にもなっていましたが、今ではそれも当たり前のような風潮です。そして「事実婚」という言葉もあるくらい、正式に籍を入れなくても、特別、問題視されることも少なくなりつつあります。日本ではまだ法的には認められてはいませんが、世界では「同性婚」も社会的に認められるようになってきました。例えは悪いかもしれませんが、「野放し状態」といったところでしょうか。
昭和の頃は、ここまで自由ではありませんでした。戦後、女性の社会参加が認められるようになって、少しずつ男女平等化が進み、女性が自由を手にしていった時代。ただ、結婚や恋愛においては、まだまだ自由とまではいかなかったようです。「お見合い結婚」が一般的でしたし、「結婚適齢期」という概念が強くあったため、婚期を過ぎると、「オールドミス」や「行かず後家」という言葉で皮肉も言われていました。今から考えるとヒドい言われようです。「セクハラ」どころの騒ぎではないですよね。でもあくまで世間一般的な常識としてとらえられていたので、本人もなるべく早く結婚しようという意識がありました。幸せな結婚をすることが、女性にとっては最も幸せなことだと考えられていたからです。
恋愛や結婚の自由はある程度認められるようになったものの、制限もあった時代は、いわゆる「放し飼い」のような状態といったところでしょう。
さらに遡って明治・大正時代。昭和の前半(戦前1945年以前)までは、通常、結婚は当人達の意思に関係なく、両家の親同士、それも家長である男性(父親かそれに準ずる立場の年長男子)の考えのみで決定されるのが普通でした。
まさしく「カゴの鳥」。どこへも自由に飛んで行くことなど望めなかった時代だったようです。
江戸から明治にかけては統計資料などから女性の離婚率は高いことが分かっています。18世紀までの江戸時代の武家の場合、家督を継ぐ男子を作る必要性や、女性側も実家が経済的に恵まれていることが多いため、一般よりも更に離婚率が高かったようです。
当時の経済は農業中心で、離婚しても、実家の農作業を手伝いながら次の嫁ぎ先を選ぶことが可能だったのでしょう。そのため離婚はそれほど深刻には考えられていなかったのかもしれません。
明治になってもしばらくはこうした意識の名残が続きます。ところが1898年になって民法が施行されてから状況はがらりと変わります。離婚件数はほぼ半分に減少し、以後、離婚率は長期的に低く抑えられていきます。明治の民法は「家」制度を重視しており、貞操観や良妻賢母を理想とする女性像が理想とされるようになったことで、日本人の結婚意識にも大きな影響を与えました。それ以前の日本では夫婦別姓が実態として普通だっただけでなく、戸籍上も夫婦別姓でしたが、明治民法によって夫婦は同姓とされるようになり、そのことが離婚率の減少にも大きく寄与したと考えられます。
夫婦同姓という制限を設けることで、夫婦間の意識が変わり「家族」という概念が定着し、簡単に離婚を選ばなくなったのかもしれません。もしかすると、結果的には離婚せず、長く連れ添ったことで幸せになれた夫婦もいたのかもしれません。
時代とともに移り変わっていった「自由」の価値観。
でも本当の「自由」っていったい・・・?
さまざまな物事に共通するのかもしれませんが、人というのは自由すぎると選べなくなるのかもしれませんね。自由と幸福度の関係性を考えると、心理学者のバリー・シュワルツ氏は「選択肢の多さは人々の幸福度を下げている」と提唱しています。その理由が、選択肢が多すぎると人は選べなくるからといいます。なるほど、10種類くらいの中から何かを選ぶことはできても、何百種類とあるものの中から一つを選ぶのは困難ですものね。それもよく似ているけど、少しずつ違っていると、何を基準に選べばよいのかわからなくなってきます。結局は、何も選べずに終わってしまうなんてことも。
自由であること自体は素晴らしいことだし、選択肢が増えたことでたくさんのメリットがあることは間違いありません。でも、選択肢が増えたために逃している幸せもあるのかもしれません。
大切なのは、あまり欲張って必要以上のものを欲しがらないことです。謙虚な姿勢で、世間一般的な価値ではなく、自分の中の真の価値を見つけること。そのような意識を持てば、些細なことも幸せに感じられ、人生の幸福度も高まっていくのかもしれませんね。
そして本日(2015.8.24)のビッグニュース!!堀北真希と山本耕史の 「交際0日」婚!
自由すぎて迷うくらいなら・・・この人!と決めて結婚してしまう。そんな形の結婚も、これからの時代アリなのかも。